屋上は、建物の重要な構成要素でありながら、常に厳しい環境にさらされています。
直射日光、雨風、そして積雪など、様々な要因が屋上の劣化を促進します。
特に防水層は、建物の寿命と直結する重要な部分です。
適切な防水対策を講じることで、建物の耐久性を高め、維持管理コストの削減にも繋がります。
今回は、屋上アスファルト防水について、その基礎知識から選び方、改修方法までを分かりやすく解説します。
アスファルト防水は、アスファルトを染み込ませた防水シートを複数層に重ねて施工する伝統的な防水工法です。
高い防水性と耐久性を持ち、長年にわたって多くの建物で採用されてきました。
合成繊維不織布を基材としたルーフィングシートにアスファルトを浸透させ、重ね合わせることで、水密性の高い防水層を形成します。
その耐久性から、マンションやビル、公共施設などの大規模な屋上防水に多く用いられています。
アスファルト防水には、主に常温工法、トーチ工法、熱工法の3種類があります。
熱を使用せず、ゴムアスファルトの粘着層を利用してシートを貼り合わせる工法です。
火気を使用しないため、安全性が高く、環境への配慮も優れています。
施工も比較的容易ですが、他の工法に比べて防水層の密着度が低い場合があります。
トーチバーナーでシートの裏面を炙り、溶かしながら貼り合わせる工法です。
高い防水性と密着性を確保でき、煙や臭いの発生が少ないため、近隣への影響も少ないのが特徴です。
ただし、シートが厚いため、複雑な形状の屋上には不向きな場合があります。
アスファルトを溶かしてシートを貼り合わせる工法です。
古くから使用されている信頼性の高い工法ですが、煙や臭いの発生、火災リスクがあるため、近年は使用頻度が減少しています。
アスファルト防水の寿命は、工法や施工状況、気候条件などによって異なりますが、一般的には15~25年程度と言われています。
定期的な点検とメンテナンスを行うことで、寿命を延ばし、雨漏りなどのトラブルを予防することができます。
点検では、ひび割れ、ふくれ、はく離などの劣化症状がないかを確認します。
また、必要に応じて部分補修や全面改修を行う必要があります。
最適な工法の選択は、屋上の形状、面積、周辺環境、予算などを総合的に考慮して行う必要があります。
例えば、複雑な形状の屋上には常温工法が適している場合が多いです。
また、狭い場所や環境への配慮が必要な場所では常温工法が、広い平坦な場所ではトーチ工法や熱工法が適している場合があります。
専門会社に相談し、最適な工法を選択することが重要です。
古いアスファルト防水の中には、アスベストが含まれている場合があります。
アスベストは健康被害を引き起こす可能性があるため、改修工事を行う際には、事前にアスベストの有無を調査し、適切な対策を行う必要があります。
アスベスト含有材の撤去には、専門会社による適切な処理が必要です。
アスファルト防水の改修工事には、かぶせ工法と撤去工法があります。
既存の防水層の上に新しい防水層を重ねる工法です。
工期が短く、費用も比較的安価ですが、防水層が厚くなるため、建物の重量増加に注意が必要です。
既存の防水層を完全に撤去してから、新しい防水層を施工する工法です。
費用はかぶせ工法より高くなりますが、より高い防水性能が期待できます。
工事費用は、屋上の面積、工法、使用する材料、アスベスト処理の有無などによって大きく変動します。
事前に会社から見積もりを取り、比較検討することが重要です。
防水工事は専門知識と技術が必要なため、信頼できる会社に依頼することが重要です。
会社から見積もりを取り、施工実績、保証内容、対応などを比較検討しましょう。
また、契約前に工事内容や費用について、しっかりと確認しておきましょう。
今回は、屋上アスファルト防水について、基礎知識から選び方、改修方法までを解説しました。
アスファルト防水には常温工法、トーチ工法、熱工法の3種類があり、それぞれメリット・デメリットが異なります。
改修工事には、かぶせ工法と撤去工法があり、状況に応じて適切な方法を選択する必要があります。
屋上防水工事は、建物の寿命と安全性を左右する重要な工事です。
信頼できる会社を選び、適切な工法を選択することで、建物の長寿命化に貢献します。
定期的な点検とメンテナンスを怠らず、建物をしっかりと保護しましょう。
アスベスト問題にも注意し、安全で安心な防水対策を講じることが大切です。
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