塗装工事を行う際に、ケレンの必要性を感じている方は多いのではないでしょうか。
ケレンとは、塗装前の下地処理工程のこと。
錆や汚れを除去し、塗料の付着性を高めることで、塗装の耐久性と美観を向上させる重要な工程です。
この記事では、ケレンの目的や種類、適切なケレン方法を解説することで、塗装工事の質を高め、建物の美観と耐久性を向上させるための知識を提供します。
ケレンとは、塗装前の下地処理工程のこと。
錆や汚れを除去し、塗料の付着性を高めることで、塗装の耐久性と美観を向上させる役割を担っています。
塗料は、構造物や建築物を錆や汚れといったダメージから保護するために施されます。
塗膜が被塗面にしっかり密着していることが、その効果を最大限に発揮するために重要です。
カサブタが出来ている傷にいくら上から薬を塗っても効能が届きにくいように、異物の上からいくら高性能な塗料を塗っても効果が半減してしまうのです。
そのため、塗布前に邪魔になるもの、例えば錆、黒皮(鋼材を熱処理した際に発生する黒い酸化物)、塩分、水分、粉塵、塵埃などの付着物をできる限り取り除く必要があります。
特に鉄部では、錆が進行しないよう付着物を取り除くことがケレンの大きな目的となります。
塗料の密着性を高めるだけでなく、下地を平滑にすることもケレンの目的の一つです。
下地が凹凸があると、塗膜が均一に塗布されず、仕上がりが悪くなってしまいます。
また、凹凸があると、塗膜が剥がれやすくなってしまうため、耐久性が低下する原因にもなります。
ケレンによって下地を平滑にすることで、塗膜の密着性を高め、耐久性を向上させることができます。
ケレンは、下地の状態によって1種から4種に分類され、それぞれ適切な処理方法があります。
1種ケレンは、最も高度なケレンで、ブラスト処理によって錆や旧塗膜を完全に取り除き、鉄鋼面が現れている状態です。
ブラスト処理とは、粒子状の研磨剤を噴射することで、塗膜表面を削る処理方法のこと。
主に、鉄骨や橋梁など、耐久性が求められる箇所に用いられます。
2種ケレンは、研磨処理によって錆や旧塗膜を取り除き、表面を平滑にした状態です。
ディスクサンダーやワイヤーブラシなどを使用して、表面を研磨します。
3種ケレンは、手作業で錆や旧塗膜を落とし、表面を平滑にした状態です。
ハンマーやスクレーパーなどの工具を用いて、錆や旧塗膜を剥がします。
4種ケレンは、錆や旧塗膜を落とさずに、表面を清掃した状態です。
ワイヤーブラシやサンドペーパーなどで表面を清掃します。
ケレンは、塗装工事の質を高め、建物の美観と耐久性を向上させるために欠かせない工程です。
ケレンを行う目的は、塗料の密着性を高め、下地を平滑にすることです。
ケレンは、下地の状態によって1種から4種に分類され、それぞれ適切な処理方法があります。
適切なケレンを行うことで、塗装の耐久性と美観を向上させることができます。