“老朽化したマンションにお住まいの方、あるいは管理組合の皆様。
建物の外壁に、まるで爆発したかのようなひび割れ、つまり「爆裂」を発見したことはありませんか。放置すれば、危険なだけでなく、多額の修繕費用に繋がる可能性も秘めています。
この記事では、マンション外壁の爆裂現象の原因から、適切な修繕方法、費用を抑えるための工夫までを徹底解説します。
安全で快適な居住空間を守るために、ぜひ最後までお読みください。
マンションの外壁コンクリートに発生する「爆裂」とは、内部の鉄筋が錆びて膨張し、コンクリートを破壊する深刻な劣化症状です。
まるで内部から圧力が加わって爆発したかのような、激しいひび割れが特徴です。
表面の小さなひび割れとは異なり、コンクリート片の落下や鉄筋の露出といった危険性を孕んでいます。
爆裂は、決して突然起こるものではありません。
長年の間に、以下の段階を経て進行していきます。
1: クラック(ひび割れ)の発生:経年劣化や地震などの影響で、コンクリートに小さなひび割れが生じます。
2: 雨水浸入:クラックから雨水が侵入し、コンクリート内部に浸透します。
3: 鉄筋の錆び:水分によって鉄筋が酸化し、錆びが発生します。
錆びた鉄筋は体積が増加し、膨張します。
4: コンクリートの破壊:膨張した鉄筋がコンクリートを押し出し、爆裂が発生します。
この過程を理解することで、早期発見、早期対策の重要性が理解できるでしょう。
爆裂を放置すると、以下の危険性が伴います。
1: コンクリート片の落下:剥がれ落ちたコンクリート片が通行人などに直撃する危険性があります。
2: 美観の損傷:建物の外観を著しく損ない、資産価値を低下させる可能性があります。
3: 修繕費の高騰:早期に対処すれば済む軽微な修繕が、放置によって大規模な工事となり、費用が大幅に増加します。
4: 構造上の危険性:ひどい場合は、建物の構造的な弱体化につながり、安全性を脅かす可能性もあります。
爆裂修繕の一般的な手順
爆裂修繕は、以下の手順で行われます。
1: 調査:建物の状態を詳細に調査し、爆裂の範囲や程度を把握します。
2: 斫り(はつり):ハンマーなどで、爆裂部分のコンクリートを削り取ります。
3: 鉄筋のサビ落とし:露出した鉄筋のサビを丁寧に除去します。
サビが残っていると再発の原因となります。
4: モルタル充填:樹脂モルタルやポリマーセメントモルタルなどを用いて、削り取った部分を補修します。
5: 乾燥:充填したモルタルを十分に乾燥させます。
修繕費用を抑えるためには、以下の点に注意しましょう。
1: 早期発見:定期的な点検を行い、小さなクラックを発見したら、早期に補修することで、大規模な修繕を回避できます。
2: 適切な業者選定:複数の業者から見積もりを取り、費用と施工内容を比較検討しましょう。
3: 保険の活用:マンションの火災保険などで、修繕費用の一部が補償される可能性があります。
修繕費用は、爆裂の範囲や程度、使用する材料などによって大きく異なります。
概算ですが、箇所数や規模にもよりますが、数万円から数百万円程度と幅があります。
マンション外壁の爆裂は、放置すると危険なだけでなく、高額な修繕費用につながる深刻な問題です。
早期発見、早期対策が重要であり、定期的な点検と適切な修繕によって、安全で快適な居住環境を維持しましょう。
本記事で解説した修繕手順と費用を抑えるポイントを参考に、専門業者と相談しながら、適切な修繕計画を立ててください。