家のメンテナンスに興味があるが、専門的な知識が少ないDIY初心者の方は多いのではないでしょうか。
外壁のひび割れに気づいたとき、できるだけ自分で修理を行いたいと考えるのは自然な流れです。
しかし、ひび割れの原因や種類によっては、素人の手に負えない場合もあります。
そこで本記事では、外壁のひび割れの原因とそれに応じた簡易的な補修方法を解説し、自分でできる補修の範囲を明確にしていきます。
これを読めば、外壁のひび割れに悩むDIY初心者の方でも、安心して補修作業に取り組めるはずです。
外壁のひび割れは、その状態や発生原因によって様々な種類に分けられます。
ここでは、代表的なひび割れの特徴と原因を解説していきましょう。
幅0.3mm以下の細かいひび割れで、髪の毛ほどの細さであることから「ヘアクラック」と呼ばれています。
主な原因は、外壁塗装の経年劣化によるものです。
壁材の膨張・収縮に塗膜が耐えられなくなり、ひび割れを起こします。
また、塗装工程のミスによっても発生します。
モルタルなどの壁材が乾燥する際の収縮によって生じる、幅の狭いひび割れです。
水分の蒸発に伴う壁材の収縮が、塗膜に影響を及ぼすことが原因です。
完全に乾燥した後は、それ以上ひび割れが広がることはありません。
建物の構造的な問題や、地盤沈下などの影響で発生する、幅が広く深いひび割れです。
放置すると建物の倒壊につながる恐れもあるため、早急な対処が必要不可欠です。
外壁塗装の継ぎ目(縁)から発生するひび割れのことを指します。
塗装の中断や部分的な塗り直しによる継ぎ目が原因で起こります。
コーキングやシーリング材に入る細かいひび割れです。
紫外線や雨風にさらされ、経年劣化することで発生します。
ひび割れの奥に水が入り込むと、壁材の劣化を招くため要注意です。
ここからは、DIY初心者でも比較的安全に補修できる、ヘアクラックとシーリング材のひび割れを例に、補修手順を解説します。
補修材は、外壁の色に合わせたセメント系の補修剤を選びましょう。
チョーク式のスティックかスプレータイプのものがおすすめです。
①ひび割れ周辺を水で湿らせる(水湿し)
②スティックで塗り込むか、スプレーで吹き付ける
③乾燥後、はみ出た部分をブラシ等で擦り落とす
外壁用のコーキング材を使用します。
幅0.3mm以下の細かいひび割れが対象です。
①ひび割れ周辺を養生テープで覆う
②コーキング材にプライマー(下塗り材)を塗布する
③コーキングガンでコーキング材を充填する
④ヘラで表面を均し、養生テープを剥がす
⑤1〜2日乾燥させて完成
いずれのケースも、ひび割れの内部や周囲をよく洗浄し、完全に乾燥させてから補修作業を行うのがポイントです。
1mm以上の広いひび割れや、高所での作業が必要な場合は、無理をせず専門家に相談しましょう。
外壁のひび割れは、原因によって様々な種類があることがわかりました。
その中でも、DIY初心者が比較的安全に補修できるのは、ヘアクラックとシーリング材の細かいひび割れです。
ただし、正しい補修材の選定と丁寧な下地処理が欠かせません。
作業時は周囲への飛び散りにも注意が必要です。
それ以外のケースでは、専門業者への依頼も視野に入れながら、慎重に対処することをおすすめします。